漆の乾かせ方
漆の乾かせ方は一般的な水が乾くような水分が蒸発する現象とは大きく異なります。少し専門的に説明すると、漆に含まれているラッカーゼが空気中から酸素を取って、主成分のウルシオールを酸化重合させて、液体から固体に変化することを指します。
漆を乾かすための適温は、摂氏二十度~二十五度。適湿は七十五%~八十五%とされています。そうなると梅雨の期間しか駒製作ができないかと言えばそうではなく、駒師たちは室(むろ)を利用しています。正式な名称は陰室もしくは漆風呂と呼ばれるようです。室とは温度や湿度を指定したものに調整する部屋(箱)です。室の大きさは様々ですが、大き目のもので小型の冷蔵庫くらいでしょうか。この室を使うことにより一年中将棋の駒を製作することができます。
これまで何人かの将棋の駒師の方を取材してきましたが、室は全て手作り、もしくは既存の収納箱を改造したものでした。埃が一切入らない密封された空間を作れればいいので生産ペースに合わせて製作しています。